Home ファッション 流行 「わろてんか」110話。世界で大流行のマーチン・ショウってなんだ

「わろてんか」110話。世界で大流行のマーチン・ショウってなんだ

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連続テレビ小説「わろてんか」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)
第20週「ボンのご乱心」第110回 2月12日(月)放送より。 
脚本:吉田智子 演出:鈴木 航

110話はこんな話
隼也(成田凌)が栞(高橋一生)のもとで武者修行することになる。

まだまだひよっこや
ミス・リリコ アンド・シロー(広瀬アリス 松尾諭)がすっかり人気になり、キース、アサリ(大野拓朗、前野朋哉)と2枚看板になった。
来年25周年に向けて何か面白いことをしようとするてん(葵わかな)たち。
レビューが流行っているというが、風太(濱田岳)は漫才にこだわる。
かわいそうに風太は、完全に保守派キャラに描かれ、新しいアイデアにいちいちガミガミ噛み付く。
それも、先代・藤吉(松坂桃李)のことを思ってこそだが、新しいことをしたい人たちにとっては目の上のたんこぶでしかない。
隼也が最もその犠牲になる。風太のもとで2年間、丁稚奉公させられることになり、それが不満でならない。
下働きがいやではないが、せっかくアメリカで学んできたのだから、そこで培った目を生かしたい。
マーチン・ショウが世界で流行っているから、それをやりたい。
でも、さすがの栞もてんも、まだ早いと言う。
確かに、隼也は若気の至り。もっと修業したほうがいい。
「まだまだひよっこや」とどやしつける風太。お父さん代わりにしっかり怒っているつもりだが、「おっちゃんの頭は古い」と隼也は歯向かう。
ああ、もう隼也くん・・・。
夢に向かってまっしぐらだったり、かなり年上の女性(リリコ)を「ちゃん」づけで呼ぶ自由さをもっていたり、古いものを壊して新しいことを目指したり、「ひよっこ」呼ばわりされたり、まるで、隼也が朝ドラヒロインみたいではないか。
朝ドラで男性主人公の作品も何作かある(近年だと「マッサン」)。
「わろてんか」は実は、女性ヒロインの皮をかぶった男性主人公ものだったのではないか。それも、藤吉と隼也、2代に渡っての。
てんは、そんな彼らを見守り癒やし導く天使キャラなんだと思う。

酒を飲む濱田岳の滋味
隼也に全否定されて、風太は、ひとり酒を飲む。濱田岳は、怒鳴っているときよりずいぶんといい滋味を醸す。
ガミガミ言う人がいないと会社は立ち行かなかったであろう。男はつらいよ、である。
そこへ高橋一生(栞)がやってきて、並んで飲む。男たちはいろいろつらいよ、である。

マーチン・ショウってなんだ?
どんなにユーモラスな口調であろうとNHK のアナウンサー・小野文惠がナレーションで「この頃アメリカでは華やかなショウやレビューが大流行。なかでもマーチン・ショウが最も人気のあるショウでした」と説明しちゃうと、史実みたいに聞こえてしまうが、実際は「マーカス・ショウ」であった。
北村笑店のモチーフになっている吉本興業でもいち早く、このショウに目をつけて、東京の日劇にて招聘公演を行うのだ。
これを率先して行ったのは、風太のモチーフになっていると言われる林弘高。てんのモチーフになっている吉本せいの弟だ。史実では先見の明のある人物なのに、ドラマでは古いと言われてしまう損なキャラの風太を応援したくなる。

マーカス・ショウについては、青空文庫の寺田寅彦のマーカス・ショーとレビュー式教育が参考になる。
この原稿は、大変すぐれたレビューのレビューだ。当時(昭和9年)、流行りのマーカス・ショウを語るうえで、寺田がそれまで西洋で見てきた数々のショウのことにも触れて、マーカス・ショウの新しさを説明する。
“一景平均五分程度という急速なテンポで休止なしに次から次へと演ぜられる舞台や茶番や力技は、それ自身にはほとんど何の意味もないようなものでありながらともかくも観客をおしまいまであまり退屈させないで引きずって行くから不思議なものである。“
このように、これまでの理屈で貫いた筋のあるものよりも、無意味さが新しく、役者や作り手の人間力で押し切ることの凄みがマーカス・ショウにはあったと寺田は書く。さらに、そういう流行を現代教育にも生かし、学ぶ者を飽きさせないようにするべきという提案まで! 
これを読むと、平成が終わろうとしているいまは、この“次から次へと演ぜられる舞台や茶番や力技” が“何の意味もないようなものでありながらともかくも観客をおしまいまであまり退屈させないで引きずって行く”ものが好まれる時代であると感じる。その傾向が当時から続いているのか、変遷を経て、再びそうなったのかについて論じるのは別の機会に回すとして、少なくともいまは。ネット配信やユーチューブの発達によってそういうものが好まれているようになっているようにも思われる。
「わろてんか」に滲むダイジェスト感も、時代に則したものなのであろう。筋が通っていようがいまいが、飽きさせないことが正義なのである。
(木俣冬)

イラスト/まつもとりえこ

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