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#SuzyNYFW: マイケル・コース: 垢抜けない魅力

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自分のスタイルを愛するということ——さまざまな要素が融合したコレクションの中にデザイナーの演劇好きが垣間見えた。

マイケル・コース2018-19年秋冬コレクション。Photo: INDIGITAL

リンカーンセンターのヴィヴィアン・ボーモント劇場に掲示されたポスターの中で、マイケル・コースが嬉しくてうれしくてたまらないといった様子で飛び跳ねていた。コースは2018年秋冬コレクションの招待状の中でも、それと同じぐらい嬉しそうに飛び跳ねていた。コレクションについては、「8月のカンザスみたいに垢抜けていない」という印象を持った。これは映画『南太平洋』に登場する「ワンダフルガイ」という楽曲の歌詞だが、ショーでさまざまな古い楽曲が掛かる中で、なぜかこの曲だけは掛からなかった。

マイケル・コース2018-19年秋冬コレクション。Photo: INDIGITAL

彼は自分のコレクションにリアル感を持たせるのが得意で、冬のワードローブに似合いそうなあらゆる服を登場させる演出をした。タータンなど各種のチェック柄の服 (男女それぞれ) からキャメルのケープ状のコートまで、その範囲は多岐に渡る。キャメルのコートは例えば運動用のジャージの上から羽織り、買い物袋を提げるために、両腕を開けておくことができる。それを見せるため、モデルたちは劇場のエントランスの階段をマイケル・コースのバッグを持って上り下りしてみせた。両手にひとつずつ提げてだ。

マイケル・コース2018-19年秋冬コレクション。 Photo: INDIGITAL

バッグといえば、デイビット・ダウントンの描く50年代風のドローイングで装飾されたシリーズがあるのだが、見る者の目を楽しませようという意図に満ちあふれた今回のコレクションは、バッグもいいアクセントになっていた。

バックステージでコースは「何かオマージュのようなものを作りたかったのです」と語った。劇場内を長々と歩き回りバックステージに戻ってきたモデルたち。コースはそのひとりひとりを出迎えていた。

マイケル・コース2018-19年秋冬コレクション。Photo: INDIGITAL

「まず、今日はバレンタインデーです。そこで、自分が愛するもの、愛する女性、ファッションを好きでいてくれる人々へのオマージュにしようと考えました。劇場という場所に来るといつも気分が良くなります。特にこのリンカーンセンターは大変な名所です。会場にふさわしく、アメリカらしい、賑やかに主張する必要があります」とコースは話を続けた。

マイケル・コース—、リンカーンセンターの劇場の階段を上り下り。 Photo by Instagram/@suzymenkesvogue/ Suzy Menkes

今季のニューヨークコレクションはかなり精彩を欠いていた。ジョセフ・アルチュザラやプロエンザ・スクーラー、ロダルテ姉妹といったビッグネームがショーの開催を取りやめ、皆パリへ移行してしまったことで、ニューヨークコレクションのファッション界における重要性に黄信号がともる事態となった。ニューヨークが重要であり続けるにはどうしたら良いのか。

マイケル・コース2018-19年秋冬コレクション。Photo: INDIGITAL

そうした状況の中、マイケル・コースは正しい方向に舵を切ったと言える。すべてをアメリカ流で統一し、アップタウン向けの服を提示したのだが、こうした服は世界の先進諸国で仕事と遊びの両方を大事にする層に受けが良い。そして、これらの服は退屈ではないという点が重要だ。例えば、アニマルプリントのジャケットをストライプのスポーツトップスやローズ柄のスカートと組み合わせなどだ。コースは適切な量の斬新さを付け加えることも忘れない。スリップドレスの細かい花柄に取り合わせたアンクルブーツ、ドルチェ&ガッバーナ風のさらに大きな花柄、パンク風味をまったく感じさせない単なるパターンとして配したタータンチェックなどを見ることができた。

マイケル・コース2018-19年秋冬コレクション。Photo: INDIGITAL

ファッション工科大学で開催中のデザイナー、ノーマン・ノレルの展覧会 (「ノレル: アメリカンファッションの先駆者」4月18日まで) を見てきたのだが、それからというもの、ワードローブの中身を基本的にテーラードで揃えておく必要がある働く女性用の、きちんと整った服が近頃消えつつあることが頭を離れない。

リンカーンセンターでホップ、スキップ、バレンタインデー! と喜ぶマイケル・コース。Photo by Instagram/@suzymenkesvogue/ Suzy Menkes

彼の強みは特定の時間や場所に結びつけることなく、デイタイムで着られる服を作れることだ。マイケル・コースの服はどのピースを取ってみても、今回ランウェイに登場した他のピースと簡単に組み合わせることができる。例えば、スコティッシュタータンのナロートラウザーズとプラッド柄のブレザーのペアを解消させ、そのトラウザーズをふわふわとした大柄なジャケットと組み合わせるといった考えが頭の中に浮かんだりもした。

マイケル・コース2018-19年秋冬コレクション。Photo: INDIGITAL

考えてみれば、彼は今回のコレクションでそうした可能性を追求したのだ。それもミックスアンドマッチとして。ニューヨークという都市が見せるさまざまな側面、つまり「街の灯、スピード、多様性、個性、そしてもちろん、アート、フード、ファッション」にどれほど刺激を受けているか、常々口にしてきた。

マイケル・コース。Photo: NATASHA COWEN

今回、情熱に満ちた言葉を彼から聞けたのはよかった。アメリカンファッションの終焉というのは、まったくもって誇張された表現であることが証明されたからだ。

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